<追記:2017年2月28日>
「自分で読んで自分で判断して本当に良かった……」
心の底からそう思えました。
ピロリ菌検査を受けたらなんと陽性だったからです。
これで胃がんのリスクが減らせると思うとホリエモンには感謝しかありません……。
—-追記終わり—-
先に断っておきますが、私はホリエモンこと堀江貴文さんの信者ではありません。
むしろたまに飛び出すホリエモンの極端すぎる発言には「ん?」と思うことも多々あるので、信者的要素はかなり少ないのではないかと思います。
ただ、彼の能力の高さや未来を予測する力、宇宙ビジネスといった未知の分野に挑戦し続ける姿勢からは、ビジネスパーソンの1人として学ぶことが多いのも事実です。
そして私がそんなホリエモンから「生きる上でとても大切なこと」を学べたのが、彼が医療について語っている著書「むだ死にしない技術」でした。
「ホリエモンと医療」
なんかいまいちピンと来ないですよね。
実際に私もこのサイト運営をしていなければこの本を読むことさえなかったかもしれませんし、もしくは読んだときには重い病気になった後だったかもしれません。
そういう意味では、幸いにも自分の身体が健康なこのタイミングでこの本を読むことができて本当に良かったと思っています。
「それ結局ホリエモンの本を宣伝したいだけじゃないの?」
と思った方もおられるかもしれませんが、そんなことはありませんのでご安心ください。
なぜなら、この本を読まなくても重要なポイントを理解してもらえるように私が解説をしていくからです。
なので、本に興味がある方のために一応↓にリンクは貼りますが、クリックする必要も購入する必要もありません。
「あっ、こういう表紙なんだ〜」くらいに思っていただければ充分です。
つまり、この記事での私の目標は「1円も払うことなくこの本で書かれていることのエッセンス(本質)を手に入れていただくこと」になります。
なぜなら、この本で書かれていることはそれだけ重要なことだからです。
なぜそんな想いが強くなったかというと、キッカケは先日このブログでホリエモンが書いた本や漫画「インベスターZ」でホリエモンを登場させて話している内容について物申す記事を読んだことでした。
ホリエモンさん、意見広告になっていませんか?ピロリ菌と重粒子線の話
出典:大場大のブログ “セカンドオピニオン”
これも先に断っておきたいのですが、このブログを書いている大場氏は東京オンコロジークリニックの代表を務められていて、医学博士でもある方なので、この方が書かれた内容を批判するつもりは一切ありません。
そもそもプロによるプロならではのツッコミに素人の私が意見するなどおこがましい話ですし、私はそんな知識も持ち合わせていないというのが現実です。
テニスをしたこともない私が錦織選手にテニスの技術を語る資格がないのと同じことですね。
しかし、この記事を読んで気になったのは、はてなブックマークなどのコメントです。
コメントを見ていると「またホリエモンが情弱向けの怪しいビジネスをはじめたのか」というような意見がチラホラ見受けられました。
正直これを見て私はとても悲しい気持ちになったのですが、このような考えに行き着く気持ちも分かります。
何らかの理由でホリエモンを信用していない
※嫌い、ライブドアショック損をした、発言に共感できない……など
↓
拝金主義のホリエモンのことだから裏があるはず。だから怪しい。
というのが本音ではないかと思います。
ただ、時には「自分の感情をひとまず置いておいて物事を捉える」ということが必要になります。
例えば、あなたもこんな経験はないでしょうか?
それは人を見た目で決めつけて意識的に距離を置いたり心を閉ざしたりしたことです。
正直なことを言うと昔の私はかなりありました ^^;
ひとつ例を挙げるとすれば、私には「自分の人生に大きな影響を与えてくれた人は誰ですか?」と聞かれたときに思い浮かべる人が2人います。
1人は妻、もう1人は知人の経営者さんです。
今ではそれほど大きな存在になりましたが、知人の経営者の方はまさしく人を見た目で決めつけて自分から近づこうともしませんでした。
私はその人の「見た目がチャラチャラしている」というだけで、「こんな人から自分が得るものなんてあるはずない」と勝手に決めつけていたのです。
しかしある日、たまたまその人の人生観や仕事に向き合う姿勢についての話を聞く機会があり、その時に私のその人に対するイメージは180°変わりました。
本当に180°です。
それからは悩みや辛いできごと、嬉しいできごとがある度にその人に時間をもらっては会い行ったりメールをしたりしています。
そしてその度にいつもこう思います。
「最初に勝手な決めつけなんかするんじゃなかった……」
その人とは偶然にも「ある日」があったおかげで、今の関係を築くことができましたが、その偶然がなければ今も私は昔のままだったかもしれません。
その経験が私にとっての「ひとまず自分の感情を置いておいて物事を捉えることの重要性」に気づいた瞬間でした。
その心構えがあったおかげでこの本も個人的な感情を抜きにして読むことができたと言っても過言ではないと思います。
なので、できれば本題に入る前に
- 感情をひとまず置いておく
- まっさらな気持ちで物事や情報と向き合う
- その上で判断をする
という気持ちで読み進めていただけますと幸いです。
この本の中で一番大切なことは?
先ほど紹介した大場氏のブログの記事の中で、大場氏がホリエモン(およびホリエモンが発起人となって作られた予防医療普及協会)の主張に対して問題を指摘しているのは「胃がんの99%はピロリ菌が原因と結論づけて大々的に謳っている」という点です。
カンタンに言うと「一部の論文やデータだけを扱って、あたかもそれがすべての真実かのような誇大表現はしないでください」ということをがん治療専門医の立場から仰られているという訳です。
もちろんそれは大切な指摘だと思うのですが、私がこの本を読んで感銘を受けたのはこの部分ではありません。
※また、この指摘に対して予防医療普及協会が大場氏に正式に反論をし、その反論に対して大場氏が答えた記事も合わせて読むことをオススメします。
実は私の中でピロリ菌の話は料理で言えば副菜のひとつ程度の位置付けです。
おそらくこの本を読まれた方は似たような感覚をお持ちなのではないかと思います。
では、本質は一体何なのでしょうか?
それは大場氏がブログの最後で書かれている以下の一文にすべてが詰まっています。
一挙手一投足が話題になるほど強い影響力をもつ堀江氏が、予防医学の啓蒙活動に寄与されるのはとても素晴らしいことだと評価します。
出典:大場大のブログ “セカンドオピニオン”
そうなんです。
この本から私たちが読み取るべき本質は予防医学(予防医療)の重要性であって、ピロリ菌云々はおまけであり、興味付けのための入り口に過ぎないのです。
※それが道徳的に良いか悪いかはまた別の議論が必要です。
また、その興味付けがあったおかげで私はこの本に興味を持ったのも事実です。
ホリエモンが単に「予防医療は大切だよ!」と言っても信者の人や健康意識の高い人以外はスルーでしょう。
「そんなこと言ってどうせピロリ菌ビジネスかなんかで儲けようとしてるんでしょ?」
と思われるかもしれません。
たしかにピロリ菌の検査方法の紹介でホリエモンが発起人となって立ち上げた予防医療普及協会が作った検査キット(3,980円(税別))の紹介もされているので一見ビジネス臭もします。
しかし、実際にピロリ菌検査を受ける場合は医療機関や自治体や企業での検査を受ける人がほとんどでしょう。
それはつまり、このキットが爆発的に売れないということを意味していますし、それはホリエモンも織り込み済みでしょう。
ちなみにホリエモンいわく、医療機関の探し方は以下を参考にすると良いそうです。
検査・除菌はどの医療機関でもできるが、「消化器内科」のあるところをおすすめしたい。日本ヘリコバクター学会のホームページではピロリ菌に詳しい認定医を公開しているので、こちらを参考にするとよいだろう。 (http://www.jshr.jp/medic/index.html)
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
私もこの中から見つけた医療機関で検査を受けようと思っています。(つまりホリエモンには書籍代以外は1円も払いません)
また、お住まいの自治体やお勤めの会社で検査が受けられないかも確認してみると良いと思います。
一部の自治体や企業、人間ドックでは「ABCリスク検診」といった名称でピロリ菌の検査をおこなっている。採血して、ピロリ菌の有無と胃炎など胃がんにかかるリスクの高さをA、B、C、D、Eに分類して評価する検査。通常の検診にオプションとしてつくことが多く、値段も無料~3000円程度と安い。
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
そして、この本で書かれているのは終始「予防医療を意識づけることの大切さ」です。
彼があえて「むだ死に」と表現しているのは、日本人は医療環境に恵まれているので「病院は病気になったら行くところ」という意識があるため、予防しておけば防げた病気で亡くなる人がいる事実を嘆いているからです。
日本の医療は、窓口負担1~3割で治療が受けられる。世界的にもまれな素晴らしい制度といわれてきたが、負担額が少ないために「とりあえず病院に行けばいいや」という人たちがいるのも事実だ。
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
また、このままでは日本の国民皆保険制度が立ち行かなくなる問題を抱えているのも誰も否定できない事実でしょう。
社会の高齢化にともない、国の医療費が年間40兆円に達し、このまま「治療」にばかり金をかけていたのでは、この先、「国民皆保険制度」の破綻が目に見えているからだ。
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
これに関しては「私たちが国民の皆さんの保障を守ります!」などと無責任に発言している政治家の方がホリエモンよりよっぽど「怪しい」と思ってしまうのは私だけでしょうか。
また、台湾や韓国、アメリカを事例を元に国や民間が積極的に予防医療を促進している構図が紹介されています。
台湾や韓国は、健康保険機構を国が一括管理し、ナショナルデータ化している。そのため、年に1回のがん検診を国民に義務付けるなど合理的な施策がとりやすい。また、アメリカでは、民間の保険会社が大腸がん抑制のために、内視鏡検査を推奨して、検査を受けた人の保険料を安くした。
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
日本が抱える現状のムダ(一部の医療費)による課題(いつか訪れる国民皆保険制度の破綻)を予防医療の考え方の普及によって解決するというのはホリエモンらしい合理的な考え方だなと思います。
ただ、いくら合理的だとしても今の日本人に予防医療を意識づけるのはとてもハードルが高いでしょう。
「今年から毎年人間ドックを受けましょうね」と言われても、ほとんどの人が「高いし面倒臭いしバリウム飲みたくないし胃カメラも嫌いだからイヤ」と言うでしょう。
そうなると国がどこかのタイミングで本腰を入れて制度改革をするか、ホリエモンが提唱する「健康保険組合組織の民営化」のように構造を根本から変える必要性が出てきます。
いったい日本はいつ、どんな形でこの問題と真正面から向き合うことになるのでしょうか。
さて、ここまでお読みいただいてこう思われた方も多いのではないでしょうか?
「まぁ、言ってることは分かった。で、ホリエモン。結局あんたはどんだけ予防医療してんのよ?」
ということです。
これは私も思いながら読み進めていました。
正直なことを言うと、私も心のどこかで「儲かりそうな業界だから短期間で知識を詰め込んだんじゃないの?」と思っていたからです。
ところがこの箇所を読んだときに、私の勝手な思い込みは完全に消え去りました。
僕だって時間を作って年に1回は人間ドックを受けている。23歳の頃から毎年必ず受診していて、2006年に検察の強制捜査が入った直後という慌ただしいときでもちゃんと受けていた。定期的に身体のデータをとって自分の健康状態を把握する。たったこれだけのことだが、自分にとっては大事な健康法だ。
(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
そうです。
彼は予防医療の評論家ではなくプレーヤー(実践者)だったのです。
しかも23歳からってスゴすぎます。
思わず自分の23歳当時を思い出して意識の違いに愕然としてしまいました……。
この事実を前にすると「ホリエモンが怪しいことを始めた」という曖昧な一言では片付けられなくなってきます。
ホリエモンの体型だけ見ると「暴飲暴食してそうだし不健康そう」のような勝手なイメージを持ってしまっていましたが、定期的に自分の身体の健康状態をチェックしていたんですね。
ビジネスにおいては常に現状を数値化して把握しているビジネスパーソンでも、意外と自分の身体を数値化して把握できているという人は少ないのではないでしょうか?
※もちろん私も含めてです。
そしてホリエモンが実践しているという健康法も紹介されていました。
【実践している「健康法」と言えるもの】
①歯は極力大事にしている
(2、3か月に1回は歯医者に行ってるし、デンタルケアは最善を尽くしている)②食事は好きなもの、おいしいと思うものを食べている
(朝食はとらないことが多いが、おいしいもの=体にいいものだと思っている)③ストレスになることはやらない
(嫌なことがあったら寝てすぐに忘れる。ネガティブなことを考える暇を作らず働く)④人間ドックは1年に1回は行く
(20代から、これはもう習慣になっている)⑤睡眠時間はきちんととる
(最近の研究でも、睡眠は脳の老廃物を排出するためにも必要だとされている。僕は寝ないと頭が働かないので、できるかぎり睡眠時間は削らない方針である)⑥本書で紹介したような検査、予防できるものはやっておく (ピロリ菌検査、肝炎ウイルス検査、がん検診は受けている。
⑦生命保険には入らない
(死ぬことを考えるくらいなら、いますぐ病院で検査を受けるほうがいい)⑧体型は維持する
(健康とはかならずしも関係ないが、ライザップに行った)⑨レーシックは受けた
(むだな見えないストレスから解放されて、人生が変わった)⑩定期的なランニング、トレーニングなど運動はしている
(僕のメルマガなどを読んでくれている人は知っているだろうが、けっこう走っている(堀江貴文, 予防医療普及協会『むだ死にしない技術』)
いかがでしょうか?
人間ドック以外にもデンタルケアや睡眠時間、ライザップやランニングなど「勝手なホリエモンのイメージ」とは違う部分があったのではないでしょうか?
つまり彼は、ピロリ菌に限らず健康を害す恐れのあるものは早めに対処しながら身体やメンタルにとって良いと思うことを取り入れる。
そして1年に1回は人間ドッグを受けて現状の把握と病気があれば早期に発見して早期に治療をするというとてもシンプルな健康法と言えます。
私は「この考え方は自分にも活かせるな」と純粋に思いました。
そしてこの本で読み取るべき本質はこれだなと思ったのです。
それと同時に、この本質を知らずして「またホリエモンが情弱向けの怪しいビジネスをはじめたのか」と言っている人を見ると、心から「もったいないな」と思いますし、その人の将来が心配でなりません。
ぜひこの本質だけでも学んで自分のものにしていただけたら嬉しいです。
私も現状で実践している健康法はいくつかありますし、この本を読んだことで今後取り入れたい健康法もあります。
ただ、その中で私がホリエモンに払うお金はおそらく1円もないでしょう。
※もちろん必要があれば進んで払いますが。
1,000円程度の書籍代で、私にこれだけの意識改革をさせてくれたのは正直感謝しかありません。
自分の予防医療の現状
そして自分を客観的に見つめてみると、すでにできている健康法もあれば、できていないものもあります。
私の場合はホリエモンの「検査に対する考え方」は積極的に取り入れていくべきだなと感じました。
ちなみに私が取り組んでいるorこれから取り組みたい健康法もこちらにまとめてみました。
改めてまとめてみると結構あったので自分でもビックリしたのですが、何かひとつでも参考になる情報があれば幸いです。
まとめ
さて、今回はホリエモンこと堀江貴文氏の著書「むだ死にしない技術」をもとに、「予防医療の重要性」について書いてみました。
この本を読みながら改めて感じたのは「ホリエモンってやっぱ頭良いなぁ」ということでした。
規模やレベルはまったく比較になりませんが、私も当サイトで文章を書く身として「自分の知識や経験を他人に伝える難しさ」は多少なりとも理解しているつもりです。
しかし、彼は「医療」という難易度の高い分野でもそれができてしまうし、やりきってしまう。
また、反論意見が出るであろうことを分かっていながらも突き進める度胸もスゴいなと感じます。
もちろん彼は専門家ではないので「適当なこと言いやがって!」という部分も大いにあるでしょう。
ただ、それを踏まえても専門家がこれまで声を大にして「予防医療は大切ですよ!」と叫んでも、その声が届くことのなかった人たちに声を届けたという功績は大きいのではないでしょうか?
それに今はインターネットの影響で、世の中には情報が溢れかえっている時代です。
そして、それらの情報には良い情報もあれば、酷いものだと捏造やデマもたくさん出回っているのが現実です。
「情報収集」は確かに大切ですが、今の時代に求められるのはその収集した情報を客観的な視点で取捨選択することではないでしょうか。
そういう意味ではホリエモンの本から得られた情報(考え方)は私にとって十分に価値のあるものだったと言えると思います。
あなたにとってこの情報は価値あるものだったでしょうか? それともまったく不要なものだったでしょうか?