この記事をご覧の方はおそらく「いびきをかいて困っている人」か「身の回りの人がいびきをかいて困っている人」のどちらかではないでしょうか?
しかし、一言で「いびき」と言っても人によって原因や症状は様々です。
そこでもっとも大切になるのが「なぜいびきをかくのか?」を知ることです。
いびきのメカニズムを知ることができれば「いびきを治すためのステップ」も見えてきます。
逆にこれを知らずにいびきグッズを手当たり次第試しても期待した効果は得られません。
※むやみやたらにグッズを試してきた私が言うのですから間違いありません(笑)
いびきのメカニズムと原因を知ることはいびきを治すための第一歩ですので、1つずつ見ていきましょう。
1.いびきのメカニズムを知ろう
「いびき」って本当にスゴい音ですよね。(実際本人はほとんど気づけないのですが…)
では、「いびき」をかくとなぜあんな音が出るのか知っていますか?
実はいびきの音の正体は呼吸をして空気が通る時に上気道(のど、鼻)の狭い部分に空気がぶつかったり、粘膜が振動したりすることで生じる呼吸音なのです。
つまり何かしらの理由であなたの上気道が狭くなったため、あなたはいびきをかくようになったというわけです。
この仕組みを分かりやすく例えるとトランペットです。
一度でもトランペットを吹いたことがある方はイメージできると思うんですが、トランペットって普通に息を吹き込んでも音って出ないですよね。
じゃあ、音を出すためにはどうするかというと唇を震わせて息を吐き出して空気を震わせることで音が出る仕組みになっています。
これと同じようなことがあなたの上気道内でも起こっているのです。
いびきはあなたの上気道が狭くなったことで空気の振動が起こって発せられる呼吸音です。
2.いびきを治すための3つのステップとは?
いびきを治すためのステップ。
それはズバリ!この3ステップです。
- いびきのメカニズムを知る
- 上気道が狭くなっている原因を知る
- 原因に合った対策をする
「それって当たり前のことじゃないの?」と思われたかもしれませんが、意外とみなさん出来ていないんですよね。
どうしても3の対策ばかりやってしまいがちです。(何を隠そう僕がそうでしたので)
1のいびきのメカニズムはすでに分かってもらえたと思いますが、本当に大切なのが2の原因です。
上気道が狭くなっている原因は人それぞれなので、まずはその原因を把握しなければ最適な対策も見えてきません。
逆にこの原因さえ分かってしまえばこっちのもの!
それに合った対策ができるようになるからです。
いびきを治す第一歩は原因を知ることです。
3.上気道を狭くする7つの原因
では、続いてその原因を見ていきましょう。
1.肥満
まず一番分かりやすい原因が「肥満」です。
厚生労働省の2013年(平成25年)データによると、日本人の肥満者の割合は男性が26.8%、女性が20.3%となっています。
ということは男性は4人に1人、女性でも5人に1人は肥満であるということになりますね。
肥満は皮下脂肪があごの周りや首周りにつくので、気道が狭くなる要因になります。
特に歳を取ってくると運動量が落ち、脂肪がつきやすい体質になってくるため「若い頃はいびきなんてかかなかったのに最近になってかくようになった…」という方が多いのもこのためです。
出典元:平成25年国民健康・栄養調査概要
※肥満者の基準はBMI25 kg/m2以上
2.口呼吸
続いては呼吸方法についてです。
いびきをかく人のほとんどが「口呼吸」をしていると言われています。
では、「口呼吸」とは何でしょうか?
その説明に入る前に以下の質問に答えてみてください。
- 気付いたら口が開いていることがよくある
- 口を閉じると、あごに梅干し状のふくらみとシワができる
- 下唇がはれぼったく、突き出ている
- 食べる時にクチャクチャ音が立つ
- 朝起きた時に喉がヒリヒリする
- 口の中がよく乾く
- 唇がよく乾く
- 口臭が強い
- たばこを吸っている
これらの質問にYESが1つでもあればあなたは「口呼吸」かもしれません。
では、「口呼吸」は何がいけないのでしょうか?
本来、私たち人間を含む哺乳類は鼻呼吸をしています。
しかし、人間だけが「話す」という行為ができるようになった影響で、口でも呼吸ができる状態になってしまったのです。
口呼吸が習慣になってしまっている人は寝ている時に口が開いた状態になるため、舌の位置が下がり、上気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
また、口呼吸は様々な病気を引き起こす要因でもあるため、「わたし口呼吸してるかも…?」と思った方は早期に改善することをオススメします。
口呼吸の治し方は「いびきや病気の原因である口呼吸を簡単に鼻呼吸に治す3つの方法」で詳しくまとめています。
3.舌の筋力低下
歳を取って来ると太りやすくなるのと同時に全身の筋力が落ちてきます。
そして舌の筋力も低下して来るのです。
その結果、寝ている時に舌の位置が下がり、上気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。
座った状態で寝てもいびきをかかないのに、横になって寝ている時だけいびきをかくのは舌の位置が落ちているからなんですね。
4.鼻づまり
鼻づまりもいびきの原因の1つです。
正しく鼻呼吸している人でも鼻づまりをしていると呼吸がしにくくなります。
その結果、空気の通り道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
例えば花粉症の人が花粉が多い時期にいびきをかきやすくなるのもこのためです。
また、鼻づまりが酷くなると鼻呼吸ができなくなり、口呼吸をしてしまうことに繋がります。
つまり慢性的な鼻づまりになると口呼吸が習慣化してしまい、さらにいびきをかきやすい身体になってしまうのです。
5.姿勢が悪い
一見いびきとは関係のないように思える姿勢ですが、実は大いに関係があります。
例えば腰痛持ちの人はいびきをかく人が多いことをご存知でしょうか?
腰痛は姿勢が悪い影響で骨格が歪み、腰に負担が掛かっているケースが多く、姿勢が悪いと口呼吸になりやすいため、結果的にいびきをかく身体になってしまうという訳です。
また、猫背の人は口呼吸する人が多いという特徴もあります。
これは実際にやってみると分かりやすいですよ。
はじめに猫背の状態で口呼吸をしてみてください。
(何度もやる必要はないですからね)
さて、次に背筋をピンと伸ばして口呼吸してみてください。
どうでしょう?背筋をピンと伸ばした時は明らかに口呼吸しにくくなかったでしょうか?
この様に姿勢の悪さは口呼吸に繋がり、さらにいびきへと繋がって行くのです。
6.扁桃腺肥大
扁桃腺肥大とは文字通り「扁桃腺が大きく膨らんでいる」ことです。
実は扁桃腺肥大は子供がなりやすい症状なのです。
なぜかと言うと扁桃腺は口や鼻から入ってくるウィルスをブロックする役割を持っているため、免疫機能が未熟な子供は扁桃腺を大きくすることでウィルスを侵入を防ごうとするからです。
そして扁桃腺の大きさは6歳くらいでピークを迎え、そこから徐々に小さくなっていきます。
しかし、それが大人になっても小さくならない場合があります。
例えば幼少期に扁桃腺が頻繁に炎症を起こした場合や遺伝や体質など理由は様々です。
それにより上気道が狭くなり、いびきをかいてしまいます。
7.お酒
最後にお酒もいびきに繋がる要因の1つです。
お酒を飲んだ日は必ずいびきをかいてしまう、またはいびきが酷くなるという事はありませんか?
私もまさにこのタイプで、いびきを録音したところお酒を飲んだ日と飲んでない日では明らかな違いがありました。
これには2つの理由があります。
- アルコールによって喉や舌の筋肉が緩んでしまう
- 鼻の粘膜が腫れてしまい鼻づまりを起こしてしまう
特に鼻づまりは口呼吸の習慣化にも繋がってしまうので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の内容の大事なポイントをまとめると、
・いびきは上気道が狭くなることで空気が振動する呼吸音のことである
・いびきの原因を正しく知れば正しい対策が打てる
・いびきの原因は7つある
ということです。
しかし、実際はこの内の1つというよりも複数の原因が重なりあっていることが多いはずです。
実際に私も「肥満」「口呼吸」「姿勢」「お酒」がバッチリ当てはまっていました(笑)
しかし、その原因を正しく知ることで対策すべき順序や自分にあった方法やグッズ選定などができるようになったんです。
あたなもいびきのメカニズムと原因を知った上で正しいいびき対策をはじめてみてください。