いびきをかくほとんどの人が、いびき解消のために必要なのが「ダイエット」です。
そして、ダイエットにおいて“有効”と言うよりも、もはや“必須”とも言えるほど定着してきたのが今回ご紹介する「糖質制限ダイエット」です。
ただ、そんな糖質制限ダイエットも、正しい知識を身に付けてから取り組まないと「食の楽しみが奪われて精神的に辛いだけで全然痩せないんだけど……」と途中で諦めてしまうことになりかねません。
そうならないためにも大切になのが、
- なりたい(痩せていびきもかかない)自分を強くイメージすること
- 糖質制限ダイエットの正しい知識を身につけること
の2つです。
そこで今回は糖質制限ダイエットについての正しい知識と実践方法をご紹介したいと思います。
この記事の目次
糖質制限ダイエットってなに?
「糖質制限ダイエット」とは、その名の通り食事に含まれる「糖質」を制限し、その分のカロリー(エネルギー)をたんぱく質や脂質で補うダイエット法のことです。
では、なぜ痩せるために糖質を制限しなければならないのでしょうか?
それは糖質がエネルギーの塊だからです。
私たちの体は、エネルギーを過剰摂取した後に燃焼しきれずに余った分は脂肪として蓄積するようにできています。
「でも若い頃はご飯をたくさん食べても甘いモノを食べても全然太らなかったよ?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
それにもちゃんとした理由があります。
実は人間はある年齢を境に「体を支えるエネルギー源」が切り替わるのです。
これについては、著書「40歳からは食べ方を変えなさい! 「体の糖化」に気をつければ、若くなる!」に詳しく書かれています。
多くの人は30代まで、エネルギー源をご飯などの糖質に依存しています。
ところが40代になると脳と体に必要な栄養素が質・量ともに変わります。(済陽 高穂『40歳からは食べ方を変えなさい! 「体の糖化」に気をつければ、若くなる!』)
では、40代からはどう変わるというのでしょうか?
糖質をおもにして脂肪、たんぱく質の3大栄養素にビタミン、ミネラルを材料にします。
特徴的なのは、酸素も用いることです。
解糖系のおよそ18倍の効率でエネルギーをつくり出すため、食事は少量ですみます。
酸素が十分に行きわたった温かい体、低血糖の環境下で活発化します。(済陽 高穂『40歳からは食べ方を変えなさい! 「体の糖化」に気をつければ、若くなる!』)
とあります。
血糖とは血液の中に入った「ブドウ糖」のことで、ブドウ糖は「糖質」が小腸で分解されたものです。
つまり、40代以上は少量の食事かつ、低糖質な食事に変えなければいけないということになります。
ところが、私たちの体質は変化しているのにも関わらず、食生活は若いころのままですよね。
さらに運動量は、若い頃に比べると大幅に落ちているはずです。
また、たとえ20代、30代であっても肉体労働をしている人以外は若い頃よりも運動量が減っているでしょう。
その状態で糖質を摂りすぎてしまうとどうなるでしょうか?
摂取エネルギーが消費エネルギーを大きく上回り、脂肪として蓄積されてしまうことになるのです。
いわゆるこれが「肥満の正体」でもあります。
そしてこの糖質がもっとも厄介なのは、砂糖がたっぷりのお菓子や清涼飲料水だけでなく、三大栄養素のひとつである炭水化物にも含まれているということです。
私たちがよく食べているお米やパンなどの穀類の主成分は、実は「糖質」だったんですね。
「天ぷらうどん&稲荷寿司」や「パスタ&パン」などは糖質の塊と言ってもいいでしょう。
なので、ダイエットをする際はまずは糖質制限をすることが「オススメ」ではなく「必須」なのです。
糖質制限ダイエットで食べ飲みしてはいけないモノとは?
1日の糖質摂取量については、さまざまな考え方がありますが、まずは1日あたり100g以下にすることを心がけてみましょう。
ただ、100gと言われてもイメージしにくいですよね?
コンビニやスーパーにある食品の栄養成分表示を見ると商品によっては糖質量の記載がありますが、記載されている商品の方が少ないのが現状です。
もちろんそこからも糖質量を細かく計算する方法もあるのですが、今回は入門編なので基本のキとなる3つのポイントをご紹介いたします。
1. 炭水化物とはできるだけ距離を取る
まずはできるだけ炭水化物(ご飯やパン)を抜くことから始まります。
なぜなら普通のお茶碗一杯のお米には約55gもの糖質が含まれており、食パンも6枚切り1枚あたりで約27gもの糖質が含まれているからです。
1日100g以下に抑えないといけないのに、ご飯をおかわりしたらそれでもうアウトなんですね。
「あっ……ランチだけで100g超えちゃってる……」という方も多いのではないでしょうか?
炭水化物好きな人は多いと思いますが、これは「糖質制限の基本中の基本」になので、自分でメニューが選択できる場合(自炊や外食)は炭水化物はできるだけ避けましょう。
2. 「野菜なら何でも食べてOK」というわけじゃない
もちろん炭水化物だけではなく、その他の糖質が多い食材にも気を付けなければなりません。
糖質制限で気をつけないといけないのが、「ダイエット = 野菜を食べること」ではないということです。
たしかに「野菜を食べておけば健康!」といったイメージがありますが、野菜にも糖質をたっぷり含んでいるものがたくさんあります。
例えば、さつまいもやじゃがいもなどの芋類や、ニンジンやれんこんなどの根菜類にも多くの糖質が含まれています。
さらに料理で何かと活躍してくれる玉ねぎも糖質を豊富に含んでいるので避けなければいけません。
そう考えると男性が大好きな「カレー」はお米だけでなく、具材の野菜にも糖質がたっぷり含まれていて、まさに「太るための食べ物」だということが分かってきます。
また、野菜の判断基準については、
- 土に埋まっている野菜(根はエネルギーをたくさん蓄えているから)
- 甘い野菜(トマトなど)
は避けると良いでしょう。
他にも注意すべき食材がたくさん
さらに加工食品にも、材料を練ったり混ぜ合わせる時に、粘着力を与えてまとまりやすくするために砂糖を含んだ原材料が使われていることがあります。
なので、できるだけ栄養成分表示を確認するようにしましょう。
また、残念ながら甘いスイーツと砂糖とミルク入りコーヒーでちょっと一息……という生活は卒業になります。
さらにアルコールについても、ビールは糖質を多く含んでいるので、飲むとしても最初の一杯だけにしましょう。
それじゃあ、何も食べれないよ……!
と、お嘆きの人も多いでしょう。
それは「半分正解で半分不正解」です。
まず、間違いなく日本は世界でもトップクラスの「美味しいご飯が食べられる国」です。
和食はもちろんのこと、あらゆる国の料理を高いレベルで楽しむことができる珍しい国でもあります。
だからこそ、誘惑がたくさんありますよね。
毎日のように「◯◯にある△△料理のお店が話題!」のようなニュースが流れており、食が趣味の人にとっては天国でもあり地獄でもあります。
そんな環境で暮らしていると、よっぽど強い意思が強くなければ糖質制限を続けることは難しいというのも事実です。
※やっぱり美味しいご飯食べたいですもんね。
ただ、ここ数年で「糖質制限」の認知度や理解も広がってきたため、今ではコンビニでも手軽に低糖質食品が買えるようになりました。
たとえばローソンは低糖質パンの「ブランパン」を中心に低糖質商品を販売したり、ファミリーマートもRIZAPとコラボして「ファミマでライザップ」というシリーズ名で低糖質商品を積極的に販売しています。
こういった商品を上手く活用すれば、一見難しそうに見える糖質制限ダイエットも始めやすく、続けやすいものになります。
しかし、そうは言っても最初の頃は甘いものや炭水化物が恋しくなって、辛いかもしれません。
その時は、市販の低糖質食材なども上手く利用し、ストレスが溜まらないように工夫していきましょう。
今は糖質制限の必要性が認められてきたおかげで、パンや麺であれば「糖質オフの食品専門店『低糖工房』」や、スイーツであれば「パティスリーポタジエ」のような低糖質に特化した美味しい商品を届けてくれるお店も増えてきているので、積極的に活用すると良いでしょう。
成功のコツは「いきなり極端な制限」をしないこと
また、糖質制限ダイエットをする時は「今日から完全に糖質を断つ!」といった極端なやり方はしないことをオススメします。
なぜなら私たちは糖質を摂るのが当たり前の食生活を何十年も続けているため、それを突然180°変えることは精神的に大きなストレスがかかるからです。
当サイトでは何度も繰り返し説明していますが、「ダイエットはあくまでも長期的な視点で考えるべき」です。
その点から考えると、いきなり糖質をゼロにするのではなく、夜だけ炭水化物を抜くことから始めてみるのがオススメです。
ダイエット効果は緩やかにはなりますが、その方が糖質を摂らない生活に少しずつ慣れることができます。
慣れてきたら昼食の糖質を抜くなど、糖質オフを目指していきましょう。
また、ご飯やパンなどを玄米やライ麦パンのような未精製のものにすることから始めるのもひとつの手です。
糖質は減らしても、増やさなければいけない2つのものとは?
痩せるためには糖質制限は必須だと言えるでしょう。
ただ、気をつけないといけないのは「糖質だけ減らせばOK」という訳ではないということです。
もちろん糖質制限をするだけで痩せることはできますが、本当の意味で糖質制限ダイエットを成功させるためには糖質を減らす代わりに増やさなければならない物が2つあります。
それは「たんぱく質の摂取量」と「筋肉量」です。
それは一体なぜでしょうか?
まず、私たちの消費エネルギー(カロリー)は以下の3要素から成り立っています。
ちなみに、この3要素の比率は以下のようになっています。
- 基礎代謝・・・約70%
- 活動代謝・・・約20%
- 熱産生・・・約10%
この中で70%もの比率を占める基礎代謝エネルギーは生きていくために最低限必要な生命活動に使われるエネルギーのことです。
そして、人間の体はとてもよく出来ており、摂取エネルギー(カロリー)が少なくなると(つまり飢餓状態になると)、生きるために消費エネルギーを抑えてなんとか乗り切ろうとします。
※これを「適応(アダプテーション)」と言います。
その結果、約70%を占める基礎代謝エネルギーは大きく下がってしまうことになります。
それでは基礎代謝エネルギーとは何なのでしょうか?
以下が基礎代謝エネルギーの構成比なのですが、実は私たちの体の中でもっともエネルギー消費が多いのは「筋肉(骨格筋)」なのです。
基礎代謝の内訳 | |
---|---|
臓器・組織 | 比率 |
骨格筋 | 22% |
脂肪組織 | 4% |
肝臓 | 21% |
脳 | 20% |
心臓 | 9% |
腎臓 | 8% |
その他 | 16% |
出典:「加齢とエネルギー代謝」(厚生労働省)(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html)を加工して作成
つまり、私たちの体は摂取エネルギー(カロリー)が不足すると、筋肉量(をはじめとする基礎代謝エネルギー)を落とすことで生き延びようとします。
さらに、基礎代謝エネルギーが落ちると、少ない摂取エネルギーでも体内に貯め込もうとするため、その結果「痩せにくい(太りやすい)体」が出来上がってしまうことになります。
ちなみに、過去に「食べないダイエット」に何度もチャレンジしてはリバウンドをしてしまった人は、まさにこの「痩せにくい(太りやすい)体」になってしまっているはずです。
なので、糖質制限ダイエットをする際は糖質を減らすだけでなく、筋肉を鍛えて基礎代謝エネルギーを高めることが必要不可欠なのです。
そして筋肉を鍛えるために必要な栄養素が「たんぱく質」になります。
これらのことから、糖質制限ダイエットは「糖質を摂らないこと」ではなく、「低糖質で高たんぱくな食材を摂り、筋肉を鍛えて基礎代謝エネルギーを高めるダイエット法」であるということがお分かりいただけたかたと思います。
糖質摂取量で「太る」「痩せる」が左右されるメカニズム
さて、続いては糖質が体重に与える影響を、医学的な点からもう少し解説しておきたいと思います。
糖質を摂り過ぎると太るメカニズム
私たちが白米などの糖質を含む食材を摂取した際、あるホルモンが働きます。
それが「インスリン」です。
インスリンと言えば糖尿病患者が毎日打っている注射を思い浮かべる人も多いと思います。
では、インスリンがどのような働きをしているかご存じでしょうか?
インスリンは、食事で摂った血糖が臓器に届いた時にいろんな役割を担ってくれています。
例えば、
- 血糖をエネルギーとして利用する
- 血糖を脂肪として蓄える
- たんぱく質の合成や細胞の増殖を促したりする
などなどです。
しかし、糖質を摂りすぎた場合、すべてをエネルギーに変えることはできないため、インスリンは糖をどんどん脂肪に変えていくことになります。
それもあってインスリンは「肥満ホルモン」と呼ばれているのですが、実際にはインスリンは体内に入ってきた糖質をできるだけ上手く対処してくれているだけで、根本的な問題は私たちが「糖質を摂りすぎていること」なのです。
糖質制限で痩せるメカニズム
では、逆に糖質制限で痩せるのはなぜでしょうか?
まずは糖質をたくさん摂っている状態で考えてみましょう。
この状態で運動をしても、消費されるのは「糖エネルギー」です。
たっぷり貯蓄された糖を消費してるだけで、肝心の脂肪は燃焼されません。
しかし、糖質を抜いた状態で運動すると消費できるだけの糖エネルギーがないため、私たちの体は中性脂肪を燃やすことでエネルギーを作り出すようになるのです。
つまり、糖質制限を行うことで、体内への脂肪の蓄積を抑え、さらに脂肪が燃えやすい体を作ることができるというわけです。
なので、糖質を制限しながら筋トレや運動をすると、効率よく筋肉量を増やすことができるんですね。
もちろんこの時に「たんぱく質」を十分に摂っておいた方が望ましいことは言うまでもありません。
そして、この理論を究極まで突き詰めたのがテレビでもお馴染みの「RIZAP」です。
ライザップというと「筋トレ」というイメージが強いですが、その本質は「食事管理によって筋トレの効果が出やすい体を作る」というものです。
この辺りの理論の具体的な部分はRIZAPの無料カウンセリングでしっかり聞いてみるのがオススメです。
「押し売りされて断れなさそう……」と思うかもしれませんが、ライザップは基本的に押し売りはしてこないので「本当に断れないタイプだから無理!」という人以外は上手く活用してみてください。
まとめ
さて、今回はダイエットをしていびきを治したい人が必ず取り組みたい「糖質制限ダイエット」についてご紹介しました。
中盤でも書きましたが、日本は食に関して本当に恵まれた国です。
自国にいながらにして世界中の料理を現地の味に負けないくらいのクオリティで楽しむことができる国なんて世界中を探してもなかなかありません。
だからこそ、逆に言えば「ダイエットしにくい国」でもあります。
また、糖質は甘味があり、食べると幸福感を得られるため、糖質制限をすることを「苦行だ……」と感じる人もいるでしょう。
しかし、糖質への依存はある意味でタバコの依存と似た所があります。
例えば禁煙したときにニコチンは3日ほどで体内から消えるため、体的にはニコチン中毒ではないはずですが、脳が「ニコチンが欲しい!」という信号を出すのです。
これがニコチン依存症の正体です。
それと同様に糖質制限をしたときも、必ずと言っていいほど脳が「糖質が欲しい!」と信号を発してきます。
その時に「今回くらいたくさん食べてもいいでしょ」と気を許してしまうと、糖質に溺れた生活に逆戻りしてしまうことになります。
もちろん糖質は体にとっても必要な栄養素なので、まったく摂らないという訳ではありません。
大切なのは糖質の役割やメカニズムを正しく知った上で、必要な量を摂取することです。
そうすればきっと精神的なストレスも少なく、自然に体脂肪を落とすことができ、いびきも改善していけるはずです。
ぜひあなたも正しい知識を身につけた上で、糖質制限ダイエットに挑戦してみてくださいね。