いびきの原因としてもっとも多いものといえば「肥満」ですよね。
おそらくあなたも一度はダイエットに挑戦したことがあるのではないでしょうか?
しかし、「いびきを治すためにダイエットに取り組みやっとの想いで体重を2、3kg落としたものの、一向にいびきは治らなくてやる気をなくしてしまった……」という方も多いはず。
せっかく痩せることができたのに肝心のいびきが抑えられなければやる気をなくてしてしまうのも致し方ありません。
ところが、多くの方が勘違いしていることがひとつあります。
それは、いびきを治すためのダイエットとして大切なのは「体重の数字の変化」ではなく「首まわりの脂肪がどれだけ落ちたか」だということです。
そしてもうひとつ大切なことが、私たちの身体は「ダイエットをしたときの痩せる順番が決まっている」ということです。
それを知らずに数字だけで判断してしまうと「本当はあと少し頑張ればいびきを抑えられたかもしれないのに挫折してしまった」ということがあるのです。
そこで今回は、ダイエットをしたときの「痩せる順番」についてご紹介していきたいと思います。
アメリカ人と日本人を比べて分かる「首まわりダイエット」の重要性
さて、「痩せる順番」の説明に入る前に「首まわりダイエットの重要性」についてカンタンに触れておきたいと思います。
冒頭にも書いた通りいびきの原因で一番多いものと言えば「肥満」ですが、そもそも「日本人ってそんなに肥満の人って多いかなぁ?」と疑問が湧きませんか?
例えば肥満大国のひとつであるアメリカ人と日本人を比べてみましょう。
成人のアメリカ人の肥満率は30%以上ですが、日本人はというと4%程度と大きな差があります。
※出典:世界ランキングより
ちなみにこちらの画像は日本人(上)とアメリカ人(下)の平均身長や体重、年齢などの情報を比較したものです。
出典:コモンポストムービーより
この身長と体重をもとにBMI(WHOで定めた肥満判定の国際基準)を算出すると以下の通りとなります。
実は日本とアメリカでは体格や生活習慣の違いからBMIの基準値が異なるので、日本ではBMI25以上となると「肥満」と判定されますが、一方アメリカではBMI25以上は「やや肥満」です。
それを踏まえてもアメリカ人は平均で「やや肥満」になるわけですから、いかに肥満体質の人が多いか分かりますね。
さて、このデータを見ると「それならアメリカ人は日本人に比べていびきをかく人が多いんだろうな」と考えるのが自然ですよね。
ところが実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者比率で言うと日本もアメリカも大差はないと言われているのです。
それは一体なぜでしょうか?
実はその理由は日本人の「顎の小ささ」にあります。
日本人はもともと顎が小さい上に、近年では食生活の欧米化の影響でさらに顎が小さい人が増えています。
その影響で何が起こったのでしょうか?
顎(顔)が小さいということは上気道の面積も小さいため、少し脂肪がついただけでも上気道が塞がっていびきをかいてしまうことに繋がるのです。
また、いびき体質の人は猫背など姿勢が悪いことが多いため、二重あごといった首まわりに脂肪がつきやすい人が多いです。
このような理由から、たとえ見た目は太っていない人でも、いびきを治すためにも首まわりをダイエットすることはとても大切なのです。
首が痩せる順番って何番目?
ダイエットの話になると「自分は顔から痩せるタイプ」「お腹が痩せてほしいのに胸から落ちてしまう」といった会話がよくありますが、実は人間の身体は痩せる順番が決まっています。
その順番はおよそ以下の通りと言われています。
- 手首・足首
- 腕
- ふくらはぎ
- 肩
- 上腕
- 太もも
- 胸・顔
- お腹
- 腰
- お尻
いかがでしょう?
見た目的に痩せて欲しい顔やお腹、腰やお尻は最後の最後になっていますね。
ちなみに通常のダイエットで挫折してしまう人がいるのはこの「痩せて欲しいパーツがなかなか痩せてくれない」というのがひとつの要因でもあります。
そして今回のテーマである首はというと7番目の胸・顔のあたりです。
つまり、いびきを治すためのダイエットは顔がほっそりしてきて初めて効果が期待できるということになります。
そして勘の良い方はお気づきかもしれませんが、逆に太る時は先ほどの表と逆の順番で太っていきますので、顔がふっくらしはじめたらいびきにも要注意というわけです。
それではなぜ私たちの身体はこのような順番で痩せていくのでしょうか?
肝臓から遠いパーツから痩せていく
人間の体は「生きるため」という視点で見ると奇跡とも言えるほどよくできています。
ところが、「ダイエット」という視点で見ると悩ましいことがたくさんあるのです。
なぜなら先ほど紹介した痩せる順番は、私たちが「痩せて欲しい」と思うパーツほど後回しになっているからです。
顔やお腹、お尻なんかはできればさっさと痩せてほしいですよね。
それではなぜ私たちの身体はこのような順番で痩せるようにできているのでしょうか?
そのヒントは「肝臓」にあります。
「肝臓」と聞くとお酒を分解する場所というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実は肝臓は500以上もの仕事をこなす優秀な器官なのです。
そして、肝臓の主な仕事は以下の3つです。
- 栄養素を身体が吸収できるように代謝(加工)したり貯蔵する
- 身体に取り入れた毒を解毒する
- 不要なものを排出するための胆汁を生成する
そして、人間の身体は生きていく上で大切な部分を脂肪で覆おうとしますので、臓器がたくさんあるお腹まわりはなかなか痩せないようになっています。
また、顔は肝臓から少し距離があるのに痩せにくい理由としては身体の中でもとくにエネルギー消費の多い「脳」があるからです。
つまり、ダイエットは「肝臓から遠いパーツから痩せていく」というのが一般的なのです。
このような理由から首まわりの脂肪は落ちにくいことを覚えておきましょう。
さらに首は身体の中でも意識的に鍛えにくい部分です。
スポーツ選手であれば首の筋肉をトレーニングすることもありますが、一般人の筋トレメニューに首の筋トレというものはほとんどありません。
なので、首まわりの脂肪を落とすためにはバランスの取れたダイエットを継続することを心がけましょう。
まとめ
今回は「いびき体質の人にとっての首まわりダイエットの重要性」と「身体のパーツごとの痩せる順番」についてご紹介しました。
年齢を重ねると基礎代謝が落ちる影響もあり、首まわりだけでなく身体全体に脂肪がつきやすくなってきます。
また、いびきは複数の要因があるため、首まわりの脂肪以外にも「口呼吸」や「舌の筋力低下」など、歳を重ねるごとにいびきリスクは高まります。
しかし、筋肉というのは唯一、年齢に抗って鍛えることができる器官でもあります。
なので、筋肉を鍛え始めることに遅いということはありません。
「年齢のせいだからどうしようもない」と考えずに、食生活のコントロールで脂肪を落としつつ、地道な筋力トレーニングでスッキリした首と身体を手に入れて、いびきを改善していきましょう!