いびきは「あなたに何かしらの健康上の問題があることを知らせる警告音」です。
さらに厄介なのが、この警告音が鳴っている間もあなたは健康を損ね続けているということです。
以前ご紹介したいように「いびき」はあなたを毎日6時間〜8時間もの間、酸欠状態の危険に引き込む恐ろしい存在ということを忘れてはいけません。
だからこそ「いびきを放置すること」が一番よくないのです。
なぜなら、そのいびきを放置したままにしておくと「さまざまな病気」を引き起こす可能性があるからです。
これが「いびきの最大の恐怖」と言っても過言ではありません。
基本的に睡眠中にいびきで酸欠になり死ぬことはありませんが、いびきの原因を放置し続けると身体に負担が掛かり結果的に様々な病気に繋がってしまうのです。
特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは文字通り睡眠中に呼吸が止まる病気のことですが、実は厚生労働省研究班の調査によると、睡眠1時間当たりの無呼吸数や低呼吸が20回以上の場合、5年後の生存率は84%(死亡率16%)、そして8年後の生存率はなんと60%(死亡率40%)という報告まであるのです。
また、今はSASではない人でも、肥満や口呼吸などの生活習慣の影響でいつSASになってもおかしくないのです。
そこで今回は、SASも含めたいびきが引き起こす病気をまとめてみました。
※病気や症状の詳細やカテゴリについては様々な書籍やWebサイトを参考にまとめていますが、私は医学の専門家ではありませんのでその旨ご了承ください。
呼吸器疾患
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。
まず、「無呼吸」の定義は呼吸が10秒以上停止している状態です。
その無呼吸が一晩(7時間)の睡眠中に30回以上起こるか、睡眠1時間あたり5回以上起これば」睡眠時無呼吸です。
SASはいびきの中でも危険な病気の1つです。
なぜならSASの人は十分な睡眠が取れていないため、さらなる病気リスクを抱えていることになるためです。
SASについての詳しい説明はこちらの記事で紹介しています。
気管支喘息(きかんしぜんそく)
気管支喘息は気管支(気道)の粘膜が慢性的に炎症を起こしてしまい、気管支の内腔が狭くなり、様々な刺激に対して過敏になる結果、咳や痰、呼吸困難などの症状を繰り返してしまう病気です。
ちなみに、成人の気管支喘息は過去30年間で約3倍にも増加したといわれています。
過呼吸症候群(過換気症候群)
過呼吸症候群(過換気症候群)は不安や緊張などのストレスが原因となり呼吸過多となり、その影響で頭痛や目まい、指先や口の周りのしびれ、呼吸困難などを引き起こす病気のひとつです。
循環器病
高血圧
高血圧は生活習慣病の1つとされていて、安静状態での血圧が慢性的に高い状態のことです。
高血圧を放置していると次に説明する動脈硬化を引き起こし、さらなる大病へと繋がる可能性があります。
動脈硬化(どうみゃくこうか)
動脈硬化は体のすみずみまで酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を果たしている動脈が年齢とともに老化して硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が詰まって血管が狭くなった結果、血液の流れが滞る状態のことです。
狭心症(きょうしんしょう)
狭心症は動脈硬化がさらに進んだ結果、心臓を動かす血液が不足する「心筋虚血」になり、心臓がSOS信号を発する際に感じる胸痛や胸の圧迫感のことです。
心筋梗塞(しんきんこうそく)
心筋梗塞は動脈硬化がさらに進んだ結果、心臓の筋肉細胞に酸素や栄養を供給している冠動脈血管に閉塞や狭窄などが起きて血液の流量がほとんど止まってしまい、酸欠から心筋の一部が壊死(死滅)するほど悪化した状態のことです。
心不全(しんふぜん)
心不全とは、心臓のポンプとしての働きが低下して、全身の臓器に必要な血液量を送ることができなくなった状態のことです。
脳神経疾患
頭痛
頭痛は文字通り「頭部に感じる痛み」のことです。中でも表面痛ではないものが「頭痛」とされています。
脳卒中(脳血管障害)
脳卒中は正式には「脳血管障害」と呼ばれ、脳の血管になにかしらの障害が起こることによって発病するいくつかの病気の総称です。脳血管障害は大きく分けて2つのタイプがあり、ひとつは脳の血管が破れて出血してしまう脳出血やくも膜下出血で、もうひとつは脳の血管が詰まり血液が流れなくなる脳梗塞や脳血栓です。
代謝内分泌疾患
糖尿病(とうにょうびょう)
糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下し、高血糖が慢性的に続く病気のことです。
膠原病(こうげんびょう)
関節リウマチ
関節リウマチは身体のあちこちの関節に炎症が起こり、関節が腫れて痛む病気のことです。
アレルギー・皮膚疾患
花粉症
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
現在日本人の約25%が花粉症だと言われています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はアレルギー体質の人に慢性の痒い湿疹が出る病気のことです。
尋常性乾癬(かんせん)
尋常性乾癬は皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に雲母(うんも)のような白い垢(あか)が厚く付着して、その一部がポロポロとはがれ落ちる病気のことです。
感染症
風邪
風邪はウイルスが上気道(鼻やのど)に感染することで起こる、急性炎症の総称のことです。
インフルエンザ
インフルエンザとは、“インフルエンザウイルス”がのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する急性感染症のことです。
消化器病
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態になり、便通異常を起こす病気のことです。
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)は大腸の粘膜のあちこちに炎症が起きる病気のことです。
精神障害
不眠症
不眠症は眠りたいという意思があるにもかかわらず、睡眠時間が短く、眠りが浅くなり身体や精神に不調を来す神経症で、睡眠障害の一つのことです。
うつ病
うつ病は気分障害の一種で、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害のことです。
炎症
慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)
慢性副鼻腔炎は息を吸ったり吐いたりする鼻腔に隣接する副鼻腔に急性の炎症が起こる急性副鼻腔炎が治らずに慢性化した状態のことです。
歯科疾患
歯周病
歯周病は歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう病気のことです。
虫歯
虫歯は酸によって歯が溶かされる病気のことです。
男性生殖器疾患
勃起障害または勃起不全(ED)
勃起不全(ED)は成功時に十分な勃起ができないだけでなく、硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態のことです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
その他の症状
これ以外にも
- 化学物質過敏症
- 変形性膝関節症
- 月経異常・不順
- 不妊
- 歯並びが悪くなる
- 口臭
- 二重あご
- ストレートネック
- ドライマイス
- ボケ
- 腰痛
など、「いびきをかいている状態」は様々な病気や症状と繋がっている可能性があるので注意が必要です。
「口臭」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のポイントは以下の3点です。
・いびきはあなたの健康に問題があるという警告音
・「いびきの原因(つまりいびきをかく状態)」を放置しておくと様々な病気や症状に繋がる
・病気や症状は心臓や脳から精神病まで幅広い
例えば私も口呼吸が常習化していたので、しょっちゅう風邪をひいたりインフルエンザにかかっていました。
朝起きた時に酷い頭痛に襲われる日もありましたし、健康診断では高血圧を指摘されたこともあります。
しかし、いびきを改善して「正しい睡眠」を取れるようになると、それらの悩みは見事に無くなりました。
あなたもいびきを治すことができれば、きっと「人間の睡眠による自己回復力って本当にスゴい!」ということを実感できるはずです。
私自身がいびき体質を改善し、それを維持するためにやっている予防医療や健康法を以下にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
短い人生をずっと健康でいられるよう病気の元は早めに対処してしまいましょう^^